著者:西野亮廣
西野亮廣 Twitter: @nishinoakihiro
お笑いコンビ:キングコングのツッコミ、ネタ作りを担当している。
1980年7月生まれ
1999年:NSCに入学し、そこで出会った梶原(現カジサック)とキングコング結成。NSC在学中にタイトル総なめ。
2001年:第一回M-1グランプリの決勝に出場。
2001年-2012年 はねるのトびらの司会進行役
2005年 はねるのトびらの絶世期に絵本を書き始める。
2007年 M-1グランプリ決勝(サンドウィッチマンに敗れ優勝を逃す)
2008年 M-1グランプリ決勝進出するが、1stラウンドで敗退
2009年 絵本Dr.インクの星空キネマを出版
絵本のこれまでの出版 2009年から
- Dr.インクの星空キネマ
- ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス
- オルゴールワールド
- The Lost Treasure 失われたアルアコの秘宝 時を経て再び巡り会う運命のカカオ物語
- えんとつ町のプペル
- ほんやのポンチョ
- チックタック~約束の時計台~
ビジネス書 2016年から
- 魔法のコンパス 道なき道の歩き方
- 革命のファンファーレ 現代のお金と広告
- バカとつき合うな
- 新世界
- 新・魔法のコンパス
絵本がヒットしたのはえんとつ町のプペルからで、それまでの軌跡や苦労、マーケティング戦略は色々なビジネス書で語られている。
キングコング 西野亮廣
キングコングは結成当初からかなり好きでした。
M-1の第一回から出場していましたが、中川家の安定感には及ばなかったものの、かなり好きな漫才でした。テレビでは西野さん自身、本の中で結成2年目で決勝の舞台に立ったが、恥ずかしいぐらい敗けたと語っているが全然そんなことなかったと思う。
当時ダントツの若手だったようでしたが、そんなことは最近知ったぐらいで当時はそんな風に感じなかったです。第一回のM-1でも十分に貫禄を発揮していたし、他の芸人には引けをとったようには個人的には思っていません。
その後、売れっ子になりますがはねるのトびらを観ていなかったので司会者のイメージはありません。むしろ私の中では漫才師、というイメージでした。はねるのトびらはあまり見たことがないからかもしれません。
M-1ではサンドイッチマンという伏兵に敗れはしましたが超一流漫才師。
ですので、個人的には漫才師のイメージが強かったです。ビジネスマンとしての顔はここ2017年に出版された革命のファンファーレで知ったぐらいです。
現在はビジネス書を書いたり、日本最大のオンラインサロン を運営したり、YouTubeをしたりしており、彼のオンラインサロン で語られるエンタメ論やニュースの論点の切り口は独特かつ的確で面白いです。
オンラインサロン も興味があれば、月千円なので一度覗いてみると良いと思います。
ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある
これまではビジネス書を出してはヒットさせていましたが、今回はエッセイ。冒頭に「これまでずっと隠してきた僕の女々しい部分も正直に書きました」と書かれており、これまでのビジネス書の理屈に裏打ちされた成功体験の裏側の泥臭くて地道な努力とその時の心の浮き沈みや葛藤が描かれており、今までのビジネス書とは少し違った内容になっている。
革命のファンファーレで描かれていた内容の裏側が書かれているので、読む際は革命のファンファーレも一緒に読むと面白い。ニューヨークの個展での成功や絵本の無料公開に踏み切るときの不安だったときの気持ちや成功したときの喜びが書かれていてそんなことがあったのだと関心。
えんとつ町のプペルをヒットさせる前の3冊の絵本が世間から認知されず、売上も不十分だったことを自身の失敗としてそれを糧にマーケティングから見直して成功させた点は多大な努力と時間をかけたのだと納得させられた。ビジネス書では鮮やかな販売手法を解説するのみなので、西野亮廣氏が苦労し、努力したところは「ゴミ人間」でしか伝えられていないだろう。
オンラインサロンやVoicyで普段発信している内容の
- お金とは?
- 作品の届け方
- 本当のファンとは?
様々な持論を展開しているが、どれも自身の経験に基づいていたのだなとこの本を読んでよく分かった。
革命のファンファーレ
プペル以前の絵本が世間に認知されずに売上が伸びなかった。それらの経験を糧にして仕掛けた絵本「えんとつ町のプペル」のヒットと制作の戦略を余すことなく解説している。くだけた書き方でどんな人でも読みやすくなっており、logicalに絵本を多くの人に届けるという難題を痛快に解き明かしているのですごく勉強になる。
裏側の失敗体験や苦労したこと、悩んだことは「ゴミ人間」で書かれているのでそちらも合わせて読むといい。簡単そうに書かれていたことがどれほど苦労したかがよく分かる。
具体的な手法
- 分業制制作
- クラウドファンディングで資金、支援者集め
- 無料公開
- 著作権の放棄
- 初版1万部自己で個人購入
- その領収書のSNS投稿
- 個展の出口で絵本を売るお土産戦略
いずれも当時は斬新であるが、なぜそのような戦略が良いかの詳細な解説がなされている。裏側の失敗だけでなく、感情面でなぜその作戦が思いついたのかもゴミ人間を読むとよく分かる。
新世界
まえがき
お笑い芸人で若手として大成功を収めていく過程と、その裏側にある苦悩がまえがきで書かれている。
成功とその裏側の苦悩、というテーマとしては非常にありきたりだが、リアリティがあって引き込まれる様に読める。キングコング結成から相方の梶原失踪、それを解散せず待っていた話はすごくいい話だと思う。その細かい話はKAJISACで今現在最も視聴回数の多い動画で今も視聴可能である。まえがきの朗読はYouTubeで視聴できる。
お金の話
本書の本題としてはお金の話である。
ちなみに本書は広告戦略の一環で無料公開されているので、抵抗ないネットで全部読むことができる。
前提として、日本ではお金の話はタブーとされている。確かに、いまだに金を稼ぐ、とかどうやったらお金を儲けられるか?みたいなことを親や周りの友人、先輩に相談すると、良い顔をされない様な風習は根強くある。それがみんな分かっているので、あまりお金の話はしないだろう。
そんな中で芸人があえてお金のことについて独自の視点で語っているところは画期的と思う。
貯信時代という独自の考えがあって、信頼を勝ち取ることこそ成功の秘訣と述べている。ホームレスの小谷さんの話が例示されている。
オンラインサロン
革命のファンファーレと内容は重複する部分も多いが、本書ではオンラインサロンのことがしっかり書かれている。2018年10月で1万2千人だったそうだが、2021年1月で7万4千人に増えている。
- 毎朝、「西野が本気で書いたサロン限定記事」が読める。
- 「サロン限定生配信」が観れる。
- 「サロン限定イベント」に参加できる。
- 制作スタッフとして参加できる。
- 仕事のオファーを出すことができる。
- 仕事のオファーを受けることができる。
本当に月千円で3000文字ぐらいの記事が毎日更新されるので、かなりの労力である。内容はまさに時代を先に行く西野氏がリアルタイムで考えていること、取り組んでいることを毎日読めるので、コスパとしては問題ないと思います。
ただ、情報量が多すぎて途中で飽きるかもしれませんが退会の手続きが非常に煩雑で分かりにくいです。わざとそうしているという訳ではないと思いますが。