アバスチンとは
一般名はベバシズマブ(Bevacizumab)です。
抗がん剤の中の、分子標的薬の一つです。
作用機序は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に対するモノクローナル抗体です。
VEGFの働きを阻害することにより、血管新生を抑えたり腫瘍の増殖や転移を抑えたりする作用を持ちます。
分子標的治療薬の作用機序
分子標的薬とは、がん細胞と正常細胞の違い(がん特異的機構)を標的として抗腫瘍効果を示します。
従来の抗がん剤には、がん細胞の活発な増殖を抑える作用の薬がありますが、がん細胞だけでなく、正常な細胞の増殖も抑えてしまうため、副作用がおこります。
胃腸や皮膚、血液をつくる骨髄の細胞は細胞分裂が活発なので、吐き気や皮膚のしびれといった抗がん剤の副作用が出やすくなるのはこのためです。
それと比較してがん細胞にのみ効果を発揮するというメリットがあります。
分子標的治療薬の分類
•分子標的治療薬(大腸)
•小分子化合物
•マルチキナーゼ阻害剤
•抗体薬
•血管阻害剤
•抗上皮成長因子受容体抗体
大腸がんで用いられる分子標的治療薬は6種類。
胃がんで用いられるのは2種類です。
アバスチン(Bmab/ bevacizumab)
ここでは使用機会が多い血管阻害剤のアバスチンの関する記事を書きます。
下に中外製薬の公式HPのリンクを貼っておきます。
https://pat.chugai-pharm.jp/ava/index.html
アバスチンは従来の抗がん剤と併用して投与されることが一般的です。
- 大腸癌
- 肝細胞癌
- 肺がん
- 乳がん
- 子宮頸がん
- 悪性神経膠腫
- 卵巣がん
作用機序
がん組織の血管新生を阻害することでがんを直接攻撃する作用がある。
適応外、慎重投与となる場合
- 喀血の既往
- 転移性脳腫瘍
- 胃潰瘍など(出血のリスク)
- 大手術の1ヶ月以内(出血のリスク)
- 血栓傾向
- 抗凝固療法中
- 動脈血栓、静脈血栓の既往
などがある場合は慎重な管理が要求されます。
副作用
- 高血圧
- 蛋白尿
- 消化管穿孔
- 動脈血栓、静脈血栓
上記は我々が普段特に注意しているものです。
頻度が多いものや、発症したら重篤になりうるものは要注意です。
消化管穿孔を起こした場合は手術となる可能性が高いため起きてしまった場合は要注意です。
と言いつつ、吐き気や痺れ、皮膚障害などの副作用はあまり報告されていません。
どちらかというと自覚症状は少ないです。
検査をしない限り分からない副作用が多いので、何もなければ患者さんは苦痛なく投与されている方も多いです。
治療スケジュール
2週間に1回投与と3週間に1回投与の2通りの投与法があります。
併用している化学療法によってどちらの投与方法かを決定します。
参考にできる信頼のおけるサイトのリンクを貼っておきます。
https://ganjoho.jp/public/index.html
大腸癌では